いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、聞こうとする意志の力ですよ。
「学ぶ」などというたいそうな問題を口にするのは、なんともおこがましく、気が引けるのですが、では、本を読んだら人は人とつながることができるのか。
ビクセルは、現実について物語ろうとすると常に想像力による構成という作業が入ってしまうので、現実を忠実に再現することなどできないと言い、そしてこのことに恥ずかしさを覚え、物語を断念せざるを得なくなると言います。
誰だって明日という日を生きたことはない。一時間後、いえ、一分、一秒後だって、この地上のだれひとり生きたことはない。
社会の絶望や退廃を描くことは、今や非常に簡単だ。ありとあらゆる場所に、絶望と退廃があふれかえっている。