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陰性治療反応の分析への寄与(Riviere, 1936 / 松木監訳, 2003)

患者のなかには、良くなりたくないという願望が実際に存在しているが、この願望はそれ自体が部分的に防衛の性質をもっている。それは現状維持、つまり耐えられるとわかっている事態を保ちたいという欲望から生じている。それは多くの妥協の上に成り立っている。つまり、患者は分析をやり終えもしないが、途中でやめることもしない。彼はある平衡を見出しており、その平衡をかき乱されたくないのである。(pp.75-6)