· 

書くことについて(King, 2010 / 田村訳, 2013)

 言葉はあくまで意味を伝えるためのものだ。だが、たいていの場合、意図を完全に伝えきることはできず、その一部はどうしてもこぼれ落ちてしまう。つまり、選んだ言葉が本当に使いたいものの兄弟分にすぎないとすれば、余計なことはしないほうがいいということだ。(p.157)

 

 書くという作業の基本単位はセンテンスではなく、パラグラフだ。ここで干渉作用が始まり、言葉は言葉以上のものになる機会を得る。内側から何かが動きだす瞬間があるとすれば、このパラグラフのレベルにおいてである。(p.181)

 

 単語はセンテンスをつくり、センテンスはパラグラフをつくる。ときとしてパラグラフは胎動し、息づきはじめる。(p.182)