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新・片付け術 断捨離(やました, 2009)

 断捨離は単なる掃除・片付けとは異なります。「もったいない」「使えるか」「使えないか」などのモノを軸とした考え方ではなく、「このモノは自分にふさわしいか」という問いかけ、つまり主役は「モノ」ではなく「自分」。「モノと自分との関係性」を軸にモノを取捨選択していく技術です。「このモノは使える」→「取っておく」ではなく、「私が使う」→「必要」という考え方です。主語は常に自分。そして、時間軸は常に「今」。今、自分に不必要なモノをただひたすら手放し、必要なモノを選んでいく…。その作業は「見える世界」から「見えない世界」に働きかけ、結果、自分自身を深く知ることに繋がります。そうすると、ココロまでもがす~っと軽くなる。ありのままの自分を肯定できるようになります。…(中略)…することは、ただ、ひたすらモノを手放していくことだけなのですが、断捨離は不思議と、“行動変容”をもたらします。時として、人生をも大きく転換させます。転職、離職、転居、引っ越し、結婚、離婚、再婚…それはまるで、知らず知らずに封じ込めていた内在する力を、蓋を取り除いて外に出してあげるような。それぞれがもともとに持っている人生のスタンスに立ち返るきっかけづくりをしているような。もともとの、その人の生命が赤々と燃えるように導火線に火をつける、いわばトリガーのような…それが断捨離のおもしろいところです。(p.6-7